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 掃除をしていたら、足下に一つの宇宙が落ちていた。

 隅から隅まで星が輝き、あんがい明るくにぎやかだ。

 

 糸のように見えるのは、

 1.星間旅行のロケットの火

 2.ブラックホールに引きずられ、真っすぐ飛べない彗星

 3.宇宙生命の放つ想念の光

 4.天の川に棲む宇宙蛍

 5.ひとだま

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 星は、宇宙空間に漂うガスや塵などの星間物質が、互いに引き合いながら長い時間をかけて集まり、誕生する。

 その膨大な質量が引き起こした原子核反応は100億年以上も闇を照らし、最後は大爆発によって、一生を終える。

 だが、その時飛び散ったガスや塵は、時空のかなたで再び生み出される新たな星の一部として、転生する。

 私の知らないところ(あるいはこの足下)に、果てしない流転の海が広がっている。

                    2006年「流転」展 

西村陽一郎

 

 

 

カメラを用いないフォトグラムという手法によって制作を続ける西村の新作は、「紙ネガ」と呼ばれる白い紙の上に描かれた模様を透過させて印画紙に定着したプリントです。

 写真用語では、通常印画紙に定着されたネガ像のことを指しますが、今回の作品は糸くずや塵などが付着した粘着シートを引伸し機にかけてプリントした作品です。

 複雑な模様を描きながら天体を連想させる深い奥行きのある画像は、彼自身の仕事場である、3畳間の小さな部屋に堆積していた物質でもあり、小さなローラーを回転させながら、「ネガ」を作り、誰も眺めることなく

打ち捨てられてしまうものを芸術に転じていくといった試みでもあります。

ルーニィ247フォトグラフィー 篠原俊之

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