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 キベダンサーこと「踊ル人」木部与巴仁さんは、ダンスの他にも演劇、映像、詩作、詩唱、執筆など、多彩な才能を発揮する表現者です。今回の個展では、私がこれまで撮影する機会に恵まれた、氏の独自の身体表現「キベダンス」を紹介させていただきます。

 

 今回の展示は、主に三つのシリーズに分けられます。

 一つは、私の住む逗子葉山地域の海と山、川を舞台としたシリーズです。一昨年から去年にかけての一年間で、六回ほどセッションしました。当時、氏は普段活動をしている東京の空間以外での表現、特に屋外でのダンスの可能性を模索していて、たまたま別件で氏が定期的に逗子に通う用事があったことも幸いし、実現しました。

 二つ目は、大型フォトグラムのシリーズです。私は上記セッションの写真を、昨年四谷三丁目のギャラリーヨクトで個展「踊ル人」として発表しましたが、その会場で、氏は谷崎潤一郎の「過酸化マンガン水の夢」をテーマに、一日も休まず踊り続けました。そのダンスに対する真摯な姿、エネルギーに触発され、会期終了間際に急遽企画したライブイベントにて、観客を前に即興で制作したものです。

 もう一つはDMに使用したシルエットの連作です。古いハーフサイズのカメラを使い、映画的に記録しました。この三年間、私たちが逗子での拠点としていた家がある事情からもう使えなくなるという最後の日、少し寂しさを感じながら、家の記憶と共に淡々と写したシリーズです。

 キベダンス、又はキベダンサーの面白さや魅力が、少しでも伝われば幸いです。

 なお、今回こちらのズシアートギャラリーで予定されている6月9日(土)17時からのキベダンス公演はすでに予約がいっぱいですが、展示をご覧になり興味を持たれた方がおられましたら、下記の氏のSNSなどで今後の情報をお求めになり、ぜひ一度公演に足をお運びください。

2018年「踊ル人」展

西村陽一郎

 

 

 

 「踊ル人」であるダンサー木部与巴仁さんは私の古い友人で、ダンスの他にも演劇、映像、詩作、詩唱、執筆など、多彩な才能を持つ表現者です。今回の個展では、私がこの一年間で撮影する機会に恵まれた、彼の独自の身体表現「キベダンス」を紹介します。このセッションは、室内はもとより海や山、草はらなど、様々な場所を舞台に行われました。会期中はギャラリーにて毎日キベダンス公演も開催されます。お時間がありましたら、そちらもぜひご覧ください。

 

2017年「踊ル人」展

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