いくつかのグラスを印画紙の上に直接置き、懐中電灯の灯りで露光したフォトグラムです。
一回露光するごとに懐中電灯の位置を変えたり、グラスの場所を動かしながら、何回も露光しています。
気の向くまま光を動かし明滅させることにより、影は突然目の前に、自分でも思いがけない形となって現れ、そしてまた消えていきます。
影、光るグラス、そしてそれらの残像たちが暗がりの中で現れては消え、ぶつかり合い混じり合い、なんとも不思議な光景です。
グラスの透明な体を透かしたその向こう側に、ふと何か「美しいもの」が見えたような気がしました。
2007年「グラス」展