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 ある春の日の公園、満開のソメイヨシノの下で私は休んでいた。

 風も無いのに時折はらはらと花びらが舞い、地面はすでに白い絨毯のようだった。すると突然、私の頭にぽつりと小さなものが落ちてきて当たり、かすかな音をたてた。なんだろうと見上げると、桜の小枝の中に動くかげがあり、それは小鳥達だった。かれらは思い思いに枝を渡りながら、手頃な花をついばんでは根元をくわえ、器用に蜜を吸っていた。そして吸い終えた花を、そのままぽいと下に落としている。そのうちの一つが、私に当たったようだ。思いがけない出来事に私はとても嬉しくなり、それらを拾って持ち帰り、写真にした。

2008年「青い花」展

 

 

 

 印画紙がネガカラー用のものなので、色は実際とは反対で、赤いガクがシアン、黄色い花粉がブルーになっています。

 色の三原色でいう、補色の関係です。露光を多めにしているので、花びらの部分は黒くなり、ほとんど分からなくなりました。

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